Shouting Fire in a Crowded Theater

30代・独身・リーマンの視点

「学問の自由」を考える

少し前(2005年)のことになるが、ハンス-ハーマン・ホップが大学当局から不当な攻撃を受けたという話(「思想警察との戦い」)。簡単にことの発端を整理しておこう。ホップは、自らの講義のなかで「時間選好(Time preference)」の概念を説明しようとした際…

誰がより無責任なのか?

少し前(2005年)になるが、Econlogのブライアン・カプランの記事「誰がより無責任なのか?」が興味深かったので紹介しておきたい。ここでカプランは、"福祉改革"(welfare reform)が唱えられる背景のひとつである10代のシングル・マザーについて、大部分は…

新世代のオースリア学派経済学者: エドワード・ストリンガムへのインタビュー

前回に引き続き『オーストリアン・エコノミクス・ニューズレター』の記事より。「新世代(THE NEW GENERATION)」と題し、何名かの若手のオーストリア学派経済学者が取り上げられている。そのなかで巻頭に来ているのが、現在若手のホープと目されているファ…

市場と生活の質: ランダル・ホルコムへのインタビュー

『オーストリアン・エコノミクス・ニューズレター』というミーゼス研究所が発行していたインタビュー誌に掲載されたフロリダ州立大学経済学教授ランダル・ホルコムのインタビュー記事(「市場と生活の質:ランダル・ホルコムへのインタビュー」)。1998年と…

書評:集合住宅デモクラシー

2006年2月の文章。前年に出版された竹井隆人『集合住宅デモラクシー』を取り上げている。例によって若干手を入れさせてもらった。竹井さんの新刊もそろそろ読んでみたいものだ。 いくつかのサイトで「昨年のベスト本」のような企画をやっているのを見かけた…

マルコムXを称賛する

スパイク・リー監督作品の『マルコムX』は、ぼくの好きな映画の1つだ。マルコムXは、1960年代ブラック・ムスリムの組織であるネイション・オブ・イスラムのスポークスンとして活躍した(その後脱退)黒人解放運動の指導者の1人。かれが有名なのは何よりもそ…

法によらない秩序

おなじみ過去に書いた文章の再掲シリーズ。2006年1月。 ブライアン・カプランによるロバート・エリクソン『法によらない秩序』の紹介。非常におもしろそうだ。多くのリバタリアンが立法行為によらない法のあり方を研究しているが、エリクソンは秩序にとって…

同性婚に反対する

これも2006年2月に書いた文章。文脈を補強するために若干手を加えている。当時はちょうど大学卒業直前で時間があったためか、ヒマを見つけてはあれこれ書いていたのを思い出す。トマス・ソーウェル「同性婚の"権利"」。ソーウェルによれば、婚姻(marriage)…

インサイダー取引を擁護する

昔別の箇所で書いた文章を偶然見つけたので、いくつか転載・再利用させてもらうことにする。これは2006年の1月に書いた短文。ちょうど世間がホリエモン騒動で盛り上がっていた時期だ。トマス・ソーウェルが「インサイダー取引」を擁護している(「Criminaliz…

移民にまつわる問題への処方箋

前回に引き続き移民自由化の話を。ブライアン・カプランが英『エコノミスト』に寄稿した文章が面白い("Immigration Restrictions: A Solution in Search of a Problem")。冒頭でカプランは、移民にたいする不満・批判の内容が多岐にわたるにもかかわらず、…

オープン・ボーダーズ

「オープン・ボーダーズ:ザ・ケース」という素晴らしいサイトがあるので、紹介しておきたい。その名前の通り、Open Borders、つまり(国境等を越えた)人々の自由な移住が許されるべきであるという考えをサポートする目的で最近作られたようだ。ジョージ・…

上司の「名言」

いままで労働については、どことなく「後ろ向き」のスタンスの内容(本当はそういうわけでないが)を書くことが多かったが、今回は少し趣を変えて、仕事を通じて「学んだ」ことを書いてみたい。前職時代の上司の1人。別に特段好きな相手でもなかったが、発言…

選択の自由

蔵さんが、ミルトン・フリードマンがホストを務めたアメリカのTVシリーズ「選択の自由(Free to Choose)」の日本語字幕をつける作業をされていて、先日ついに完了されたようだ。かなりボリュームで、ぼくもまだ1巻までしか見られていないが、非常に面白い…

会社は2年で辞めていい?

前回、自身の転職の話しを書かせてもらった。転職活動中、参考にさせてもらった本が山崎元『会社は2年で辞めていい』だ。著書の山崎さんについては、改めて説明する必要はないだろう。長年のファンドマネージャーの経歴をもとに経済評論家として活躍されて…

リバタリアン、転職する

ご無沙汰してます。半年ぶりに近い更新となってしましまった。この間いろいろありました。自分にとって1番大きな出来事が、タイトルの通り転職したことだ。昨年の12月末で前職を退職し、1月から今の会社で働いている。もちろん、今の時代転職なんて珍しいこ…

IT社会の経済学

副題は「バークレー流入門講座101」とある。本書は、人気経済ブログ「経済学101」から主にITに関係する記事を集めて、1冊の本にまとめたものだ。「経済学101」については、以前このブログでも紹介したことがある(「定期的に読んでいるブログ」)…

アイン・ランドの正しさ:『利己主義という気概』を読む

Ayn Rand, The Virtue of Selfishness : A New Concept of Egoismの邦訳。サンデルブームもあって、日本でも「リバタリアニズム」という言葉がようやく知られるようになった。本書の著者であるアイン・ランドはリバタリアニズムの誕生に多大な貢献をした作家…

国際社会とアナーキー

無政府主義の可能性をめぐる議論のなかでしばしば用いられるアナロジーに、国際関係は(世界政府が存在しないという意味で)アナーキーなのだから、国内政治においてもアナーキーの実現は可能だろう、というものがある。今回は、この点を批判的に考察したタ…

バービーボーイズ@なつかしや

新橋に「なつかしや」という70年代から90年代初頭の歌謡曲を映像付きでかけまくるバーがある(まだあるのかな?)。けっこう有名らしいので、知っている方も多いだろう。昔いた部署の上司が好きで、金曜の夜になると、1次会は焼肉、2次会は「なつかしや」と…

ザ・インタビューズはじめました

話題のサイト「ザ・インタビューズ」に登録してみた。サイトについてはこちらの記事が詳しい(インターネットもぐもぐ「『ザ・インタビューズ』がすごいおもしろい」)。ぼくのインタビュー・ページ「The Slumlord Club」。さびしいので、なんか質問ください…

池田信夫さんとリバタリアニズム

前々回のエントリでブライアン・ドハティの『ラディカルズ・フォー・キャピタリズム』を取り上げた(「ラディカルズ・フォー・キャピタリズム」)。参考にしようと関連する記事を検索していたところ、人気ブロガーである池田信夫さんの過去の文章がヒットし…

改めて感謝

大人気ブログ「Chikirinの日記」。ご多分にもれず、ぼくも定期的に読ませてもらっている。ちきんりんさんの主張の全てに賛成というわけではないが、共感できる内容も多い。そんな「Chikirinの日記」のなかで特に好きなエントリのひとつが「あなたの文章を…

ラディカルズ・フォー・キャピタリズム

アマゾンで購入したBraian Doherty のRadicals for Capitalismを読んでいる。読んでいるといってもペーパーバックで600ページを超えるような本なので、手元に置きながら拾い読みをしているといったほうが正しいだろう。本書はリバタリアン雑誌『リーズン』の…

ゲーテッド・コミュニティ: 新しいユートピア

LJPに書いた記事の転載。これも過去自分が書いたエントリを再構成した内容だ。この話題については昔から関心を持っている。最近言及することは少ないが、また機会を改めて関連する記事を書いてみたいと思う。近年、周囲を壁やフェンスで囲み、出入りを制限し…

これからの「家族」の話をしよう

「誰が得するんだよこの書評」というグログで、昨年東大の駒場祭で行われた一橋大学教授の森村進さんの講演内容がアップされている(「森村進教授の講演会 〈 こらからの「家族」の話をしよう 〉 がすごい件 part1」「同 part2」)。大変面白く読ませてもら…

仕事なんてクソだろ? 海外ニートとリバタリアン経済学者

すでに各所で話題になっていることだが、人気ブログ「ニートの海外就職日記」が閉鎖された。理由の詳細はわからないが、どうやら作者である海外ニートさんが身の危険を感じるような出来事があったからのようだ。海外ニートさんについては、このブログでも何…

ジェフリー・ミロン:ドラッグ合法化を主張するリバタリアン経済学者

以前Libertarianisim Japan Projectで書いた記事の再掲。LJPについては、諸般の事情で閉鎖されたが、こちらのurlから当時の記事を読むことができる。ドラッグ合法化論については、本ブログでも何度か取り上げられてきたが(「ドラッグ全面解禁論――THE CRISIS…

リバタリアンの戦略論

デイヴィド・フリードマンの『自由のためのメカニズム』(原題:The Machinery of Freedom)は、言わずと知れたリバタリアニズム、アナルコ・キャピリズムを代表する1冊であり、20代で書かれたと思えないほどの完成度は驚異的だ。ぼく自身大きな影響を受けて…

創造的破壊

Tyler Cowen Creative Destructionの邦訳。このところコーエンを取り上げる機会が多い。別にかれの主張の全てに賛成というわけではないが、いろいろと興味深い論者であることは間違いないので、今回も紹介しておきます。 創造的破壊――グローバル文化経済学と…

海賊の経済学

夏期休暇中にピーター・T・リーソン『海賊の経済学』を読んだ。翻訳は山形浩生。著者のリーソンは現在ジョージ・メイソン大学経済学部教授。1979年生まれとあるから、まだ30代前半の若さだ。本書は、タイトルの通り、17世紀から18世紀にかけて大西洋やインド…