Shouting Fire in a Crowded Theater

30代・独身・リーマンの視点

越後和典

以前ロスバードの「反平等主義」哲学の記事で触れたことがある越後和典氏。かれの『独占と競争』及び『新オーストリア学派の思想と理論』はオーストリア学派の経済思想を知る上で非常に有益な本だ。ぼくが越後氏のことを知ったのは,たしか大学2年生のときだったと思う。マレー・ロスバードに関する邦語文献を探していたさい,図書館で『新オーストリア学派の思想と理論』がたまたま目に入った。オーストリ学派についての知識はハイエクとカーズナーの名前を知っている程度だったので,この本の内容は驚きの連続だった。ちなみに当時通っていた大学の図書館にロスバードの『人間,経済及び国家』を購入させたのはぼくだ。なんせ高いからね。

『新オーストリア学派の思想と理論』には,ミーゼスの方法論であるプラクシオロジーの解説や,独占禁止法にたいする批判など,文字通りオーストリア学派の思想と理論がわかりやすく書かれていた。 その後に読んだ『競争と独占』(出版はこちらのほうが先)では,当時日本ではほとんど知られていたなったはずのロスバードの国家論などが取り上げられており,その先見の明に驚かされた。 最近になって日本でもリバタリアニズムや(経済学の)オーストリア学派に注目が集まるようになってきている。しかし,越後氏の先駆的な研究にあまり敬意が払われているように見えない。自分が書くのもおこがましいが,大きな影響を受けた1人としてここに記しておきたい。

競争と独占―産業組織論批判

競争と独占―産業組織論批判