Shouting Fire in a Crowded Theater

日々のあれこれ

「セキュリティ・タウン」は今後も増えていくでしょう

近年,「セキュリティ・タウン」と呼ばれる,警備員の常駐や監視カメラの設置によって防犯機能を高めた住宅地が人気を集めている。川崎の「さくらが丘アイザック日吉」や大阪府の「リフレ岬 望海坂」がその代表例だ。こうしたセキュリティ・タウンは、何度かこのブログでも取り上げているゲーテッド・コミュニティのよりソフトな形態と言えるだろう。 竹井隆人『集合住宅デモクラシー』によれば,日本ではアメリカのようにゲートで囲った住宅地を建設するのことが難しい。デベロッパーが住宅地の建設後に敷地内の街路を行政に移管する「上地(譲地)」という慣行が存在するからだ。公園や広場も造成後は行政に移管されてしまう。街路や公園が「公共物」となる以上,第3者の侵入や通過交通を制限したり,ゲートを設置するのは不可能となる。

興味深いのは,街路や公園を行政が強制的に召し上げているというよりも,むしろデベロッパーが修繕費などを居住者に負担させることをさけるため,進んで行政に移管している点だ。竹井はこの理由を,日本人の他律を好み,「お上」に依存する意識に求めている。ぼくは将来的には日本でもゲーテッド・コミュニティが必要になると考えているが,最初にやらなければならならないのは,法改正ではなくむしろ意識変革なのかもしれない。しかし,人々のセキュリティへの欲求が強まっている現状を見ると,意識の変化もそう遠いことではないはずだ。自らの安全は自ら守るという当たり前のことが行われるようになるのを強く願っている。

集合住宅デモクラシー―新たなコミュニティ・ガバナンスのかたち (SEKAISHISO SEMINAR)

集合住宅デモクラシー―新たなコミュニティ・ガバナンスのかたち (SEKAISHISO SEMINAR)