Shouting Fire in a Crowded Theater

30代・独身・リーマンの視点

ラットマン

夏休み中、以前書いた貴志祐介(「悪の教典」)以外にもいくつか小説を読んだ。特に最近のミステリ界で最も注目されている書き手らしい道尾秀介の作品。読んだ順にあげてみると『向日葵の咲かない夏』、『シャドウ』、『カラスの親指』、『背の眼』、そして『ラットマン』。最初は単なるミステリ小説かと思っていたが、まとめて読んでみると作品ごとに傾向は若干異なるようだ。各所で絶賛されていた『カラスの親指』は個人的にはあまり面白いとは思わなかった。正直途中でオチがわかってしまったというのもあるが。

完成度はどれも高かったが、読んだなかで気に入ったのは『向日葵の咲かない夏』と『ラットマン』だろうか。ただ、前者は内容がかなりエグいだけに人を選ぶかもしれない。いっぽう後者、『ラットマン』は普通にミステリとしてよくできている。この手の小説にはそれなりに慣れているので騙されまいと思って読んでいたが、あっさり騙されてしまった。初めて道尾の小説を読む人には本書ををすすめたい。

ラットマン (光文社文庫)

ラットマン (光文社文庫)