Shouting Fire in a Crowded Theater

日々のあれこれ

自由市場による道路

小泉政権下における高速道路を運営する道路公団の民営化は1時期話題になった。しかし、リバタリアンはそれだけにとどまらず、全ての道路は私有化されるべきだと考える。道路の私有化は、安全性、快適性、効率性等の面で劇的な改善をもたらすはずだ。

まず安全性の点。警察庁の「交通事故発生状況」によると、昨年だけで4,919人が交通事故で亡くなり、約90万人が負傷されているという。こうした資料なり報道に触れるたびいつも疑問に思うのが、道路の所有、管理、運営の責任者たる「政府」の責任が一向に問われる気配がないことだ。よく原因としてあげられるスピードの出しすぎや飲酒運転といった要素はあくまで副次的な問題に過ぎない。例えば、レストランを考えてみよう。床がすべりやすくてころんだ、不衛生な料理で食中毒を起こした等の事件があれば、客は第1に店のマネージャーやオーナーの責任を追及するはずだ。道路にまつわる問題というのも要するにこれと同じことだと言える。

そもそも政府には安全性を保つ≒事故を減らす等、快適性≒渋滞を減らす等のインセンティブが全く存在しない。今にいたるまで交通事故や渋滞の発生が原因で職を追われた政治屋や役人が存在しただろうか。いっぽう私有化された道路では、交通事故はもちろんのこと路上強盗、痴漢といった犯罪、あるいは渋滞のような不愉快な出来事等のネガティブな要素があれば、即、道路を管理運営する企業や個人の収入の減少としてあらわれる。そのため状況を改善しようとする強いインセンティブが生じる。つまり、一般的な市場経済の原則がそのまま道路にも当てはまるということだ。

私有化された道路が防犯の面において如何に有効であり、また現行の警察がしばしば行うような(何の罪もない)一般市民への横柄な対応を抑制するかについて、タネヒル夫妻は『自由のために市場を(The Makret for Liberty)]』の中で次のように描いている。

The Market for Liberty (LFB) (English Edition)

The Market for Liberty (LFB) (English Edition)

街路を所有する私的企業は、努めて、よっぱらいやチンピラその他迷惑をかけるものがないようにするだろう。そのためには、必要であれば、警備員を雇うことも厭わないはずである。それは次のように広告するかもしれない。「スルーウェイ社の街路は、昼夜を問わずいつでも安全であることが保証されています。女性は、当社の大通りを自信を持ってひとりで歩いていただけます。」街路を所有する全ての企業が彼の悪評のことを知っているため、どんな市街も使用することを禁止された犯罪者は、犯罪を犯すためにどこかへ行くことさえ困難を極めるだろう。

他方では、民間街路会社は、自社の通りを使用した人々の服装、「モラル」、「習慣」あるいはライフスタイルを規制することに何の興味を持とうとしないだろう。 例えば、彼らは、ヒッピー、シースルーのブラウスやトップレスの水着を付けた少女その他多数派の価値観からの(非侵害的な)逸脱行為を逮捕する、追求するといったことよって顧客を追い払いたいと思わないだろう。 彼らが尋ねるのは、顧客がそれぞれ彼の1日10セントの料金を払えるかということと、暴力を振るったり、交通を妨害したり、他の顧客を追い払ったりすることを行わないかいうことである。 これ以外に、彼のライフスタイルや道徳の基準といったものには何の関心を示さないだろう。 民間街路会社は彼を礼儀正しく扱い、彼とのビジネスを求めるだろう。

さらに、効率性の点からいっても、現在の政治屋が介在し汚職にまみれた道路建設に比べ、利益追求と競争に基づく民間企業のほうがより効率的だろうことは容易に想像することができる。つまり、より少ない費用でより質の高い道路が建設される。そして無駄な道路の建設は抑制され、必要な道路のみがが建設されるというわけだ。

以上「自由市場による道路」の利点をあげてみた。繰り返す、全ての道路を私有化しよう。なお、上記の議論はこの分野について積極的な発言を行っているリバタリアン経済学者のウォルター・ブロック「自由市場による交通:道路の脱国有化」及びWikipediaの「自由市場による道路」の内容を参考にさせてもらった。前者は道路民営化の利点と想定される反論について、後者はいわゆる「自由市場による道路(Free-market roads)」について網羅的にまとめられている。関心のあるかたはぜひ直接原文をあたってみて欲しい。

The Privatization of Roads and Highways: Human and Economic Factors (LvMI) (English Edition)

The Privatization of Roads and Highways: Human and Economic Factors (LvMI) (English Edition)