Shouting Fire in a Crowded Theater

30代・独身・リーマンの視点

わたしは自由を選んだ

以前言及した(「余は如何にしてリバタリアンとなりし乎」),ウォルター・ブロック編のリバタリアン自伝集が出版された.その名も『わたしは自由を選んだ(I CHOSE LIBERTY」)』.計82名のリバタリアンの短い自伝が収められている.なかにはゴードン・タロックのように「わたしはどのようにしてリバタリアンならなかったのか(HOW I Didn't Become a Libertarian)」と題したものまである.

当然まだ全て読んでいないが,とりあえず最近気になる2人の論者,タイラー・コーエンとランダル・ホルコムの文章には目を通した.それぞれ簡単に紹介しておく.コーエンは幼い頃から読書が好きで,13歳くらいのとき公立図書館にある「良書」を全て読んでやろうと決意したらしい.早熟な少年だったことがうかがえる.今ならブログやTwitterをやって人気を博しているかもしれない.

かれは,父親がラディカルなリバタリアンだった.その関係もあり,The Freemanのようなリバタリアン系の雑誌が家にあったという.また,祖母のすすめでアイン・ランドの『資本主義 知られざる理念』を読み,大きな影響を受けたことが書かれている.若干残念なのは,ハーバードの院生時代のことが,本書のテーマとあまりつながりがないとして触れられていないことだ.とにかく昔から秀才だったのはよくわかった.

続いて,ランダル・ホルコム.かれは,バージニア工科大学の大学院で公共選択論の大御所ジェイムズ・ブキャナンとゴードン・タロックに指導をうけている.そのころ,院のクラスメートの影響からオーストリア学派リバタリアニズムに強い関心を抱くようになっという.当時,タロックがホルコムにたいし「極端すぎるリバタリアンの見解のために君を決して職を得ることができないだろう」と言っていたのを昨日のことのように思い出すと,若干皮肉を込めて書いている.

その後ホルコムはテキサスA&M大学に就職する.当時院生のアシスタントとしてついていたのが,あのブルース・ベンソンだったらしい.ベンソンについては先述のエントリもご参照ください.アメリカのリバタリアンが意外なところでつながっていることがわかりなかなか興味深い.

本書に関し,残念ながら日本人のリバタリアンは参加していない.だが,じつに多くのリバタリアンが自らの経験をいきいきと描いており,読み物としてもおもしろい.リバタリアニズムに関心のある人はぜひ手にとってみてほしい.ちなみにPDFファイルがこちらから入手可能