Shouting Fire in a Crowded Theater

日々のあれこれ

ラディカルズ・フォー・キャピタリズム

アマゾンで購入したBrian Doherty のRadicals for Capitalismを読んでいる。読んでいるといってもペーパーバックで600ページを超えるような本なので、手元に置きながら拾い読みをしているといったほうが正しいだろう。本書はリバタリアン雑誌『リーズン』の編集者であるブライアン・ドハティが、アメリカのリバタリアン運動の歴史をまとめたものだ。著者が編集者だけあって、単に無味乾燥に出来事を羅列しているわけではない。大きな影響を与えた5人のリバタリアン思想家、ミーゼス、ハイエク、アイン・ランド、マレー・ロスバード、そしてミルトン・フリードマンに焦点をあて、かれらが織りなす人間模様を中心に据えることで、運動の全体像を生き生きと描き出すことに成功している。英フィナンシャル・タイムズ紙で(政治・宗教部門の)2007年ベストブックに選ばれたという。

Radicals for Capitalism: A Freewheeling History of the Modern American Libertarian Movement

Radicals for Capitalism: A Freewheeling History of the Modern American Libertarian Movement

本書で知ったエピソードの例として、ロスバードがコロンビア大学の学生だったころ、当時同大で教えていたジョージ・スティグラーの講義、とくに家賃統制と最低賃金へ反対する議論、に大きな影響を受けたことがあげられる。自分のロスバードにたいする印象としては、スティグラーやミルトン・フリードマンに代表される(経済学の)シカゴ学派に批判的な態度を貫いたというものだったので、意外な感じだった。もちろんロスバード等ハードコアなオーストリアンとミルトン・フリードマンの応酬についても取り上げられている。

アメリカのリバタリアン運動については、以前ジェローム・トゥッチーレ『ラディカル・リバタリアニズム』を紹介したことがある(「ラディカル・リバタリアニズム」参照)。だが、書かれた時代の制約もあってかなり限定された内容だったことは否めない。リバタリアニズムの歴史、運動の全体像に興味を持たれたかたは、ぜひ、より包括的な本書『ラディカルズ・フォー・キャピタリズム』を読んでみることをオススメしたい。

Radical Libertarianism: A New Political Alternative

Radical Libertarianism: A New Political Alternative