Shouting Fire in a Crowded Theater

日々のあれこれ

移民にまつわる問題への処方箋

前回に引き続き移民自由化の話を。ブライアン・カプランが英『エコノミスト』に寄稿した文章が面白い("Immigration Restrictions: A Solution in Search of a Problem")。冒頭でカプランは、移民にたいする不満・批判の内容が多岐にわたるにもかかわらず、処方箋が常に同一、すなわち移民割当の削減、国境管理の強化、不法移民の国外退去であることを皮肉っている。そのうえで、個々の問題ごとにより安価で人道的な解決方法があるのだから、それを採用するよう提唱する。

かれが例としてあげている問題と解決方法は次の通りだ。

  1. 移民は福祉国家に便乗しようとしている ⇒ 移民には税金だけ払ってもらって福祉や社会保障を受給させなければいい
  2. 移民は(法の支配等の)政治的文化を危うくする ⇒ 移民に選挙権を与えなければいい
  3. 移民は未熟練労働者の賃金を引き下げたり雇用を奪う ⇒ 再分配のために移民の所得に付加税を課せばいい

カプランは、以上の内容が移民にとって厳しいものであることは認めつつ、そもそも移民を受け入れなかったり国外退去にすることに比べれば、かれらにためになるこを指摘している。ぼくもカプランの意見に賛成だ。たしかに移民がもたらすだろう問題は多いだろう。しかし、まず行うべきなのは個別具体的に解決法を検証することで、たた闇雲に移民けしからん、移民を追い出せというのは全くもって乱暴な議論であるということは強調しておきたい。

選挙の経済学

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